2020年 11月 06日
構造計算のすすめ
例えば基礎には人通口というものがあります。
床下でなにかあった時に隅々までもぐっていけるように。
その人通口には必ず開口補強が必要です。
これがない基礎はおそらく構造計算をしていないということです。
いくら太い柱を使っても、どんなに大きな梁を使っても、カバーできないことがあるのです。
そして、基礎のベースと立上りのコンクリートを一体打ちすることでその強度はさらに増します。
しっかりとした根拠に基づく、誠意ある家づくり。
丁寧な木の家は何十年も経過した時に差が出るのです。
現場は大変ですが…
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by oz-works
| 2020-11-06 19:12
2020年 05月 22日
誰かを想っての家づくり
知人、友人でもない限り、その人たちがどんな暮らし方を考えているのかはわかりません。
不明確な部分をひとつずつ丁寧に探りながらパズルのピースをはめていくような作業。
それも家族それぞれの要望を同時進行で。
いつもはじめは迷宮入りします。
以前、いつもと違う感覚で要望を聞く機会がありました。
ご主人さんは収納の位置とスペース、キッチンやパントリーの要望を事細かに説明してくれました。
奥様は健康に関係することはなるべく取り入れたいようで、最終的には電磁波対策に至るまで要望されました。
でもなんとなく不思議な感じだったので、あの手この手でなぜそこまでこだわるのかを探りました。
答えはとても心温まるものでした。
ご主人は奥様のことを想い、少しでも家事が楽しくなるように考えていたのです。
そして奥様はご主人さんが心身ともに健康で万全な状態で仕事に取り組めるようにと想っていました。
自分自身の要望を考えることはとても大切なことです。
しかし、誰かの為を想っての家づくりはそれ以上にいいものだと確信しました。
私たちは当然住まい手のことを考えての家づくりです。
その住まい手は家族の誰かのことを想っての家づくり。
ますます気が引き締まる思いです。
私にこの仕事を楽しむことが出来る日はくるのでしょうか。
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by oz-works
| 2020-05-22 18:55
2020年 03月 19日
引渡しの時に想うこと
先日、またひとつ木の家を引き渡ししました。
私たちの家づくりでは引き渡しの時に、テープカットしたり、赤い絨毯を引いたり、お礼の手紙を読んだりと特別な演出は一切しません。
出来るだけそっと住まい手のもとへ木の家をお渡しします。
よく引渡す時に、設計した方や施工した方がなんだか寂しい気分になったり、娘を嫁に出すような気分なんていうことを聞きますが自分はそういう気持ちにはなりません。
設計した自分はこの木の家のことを隅々まで知っています。なにが起きても対応できます。
しかし、住まい手にとってはいきなり暮らしがスタートするわけです。
ほんとうに思い描いた暮らし方ができているのか?
そんなことを考えると、引き渡しで寂しいなんていう気分には到底ならないわけです。
木の家はあくまでそこで暮らす方の道具のようなものです。
定期点検を継続するのは住まい手の暮らしを、我々のつくった木の家がしかっりと寄り添っているかどうかの確認をするためでもあります。
そんなことを引き渡し、取説の最中ずっと考えています。
その日を特別な日にしないように。
ずっと責任をもって家守りをすると宣言する日なのです。
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by oz-works
| 2020-03-19 18:03
2020年 02月 19日
暮らしを纏うような木の家をひとつずつ丁寧に
自分らしいライフスタイルというものがあるような無いような…そう思うことがよくあります。
住む人の暮らし方、ライフスタイルという言葉をこの業界では簡単に使いすぎだなと感じます。
そこに論理的な根拠も科学的な根拠もなく数値化することもできないとしたらそれは感覚でしかないわけです。
それを出会って数週間、ましてや数回会うだけでその人のライフスタイルを読み解くなんていう神業を私は体得していません。
でも、木の家を造らせて頂いて、その木の家に住んでから始まるライフスタイルにはいくつも出会いました。
私自身も冬はあまり好きではありませんでした。
薪ストーブのある暮らしをはじめるまでは。
高性能な木の家はどこも同じ室温となります。
そこに薪ストーブなどでしっかり暖房すると家の隅々まで暖かくなるのです。
そうなるともうどこに移動するにも苦にもならず、活動的になります。
活動的になれば代謝も良くなり健康的にもなります。
そして何より、寒い冬に薪ストーブの焔をみながらのんびり過ごすことが楽しみになりました。
ライフスタイルの提案なんていう神業はありませんが、自分たちのつくる木の家で新しい暮らし方、ライフスタイルを見つけることのお手伝いは出来そうです。
暮らしを纏うような木の家をひとつずつ丁寧に。
やはり自分にはそれしかありません。
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by oz-works
| 2020-02-19 17:51
2020年 01月 04日
住まいの性能を細分化
住まいの性能を細分化しておくことが大切です。
大きく分けると、耐震性・断熱性・気密性・耐久性・省エネ。
その5つに経済性としてイニシャルコストとランニングコストを付け加えておくといいと思います。
家づくりを考える時にこの性能の細分化をしておくと失敗しない確率が上がります。
それをしっかりと取り組んでいるかを確認する方法が一つだけあります。
それは設計段階で数値化して検証しているか?ということです。
性能はすべて数値化できます。
私たちの家づくりは全棟構造計算、外皮性能計算、一次エネルギー消費量計算、光熱費計算、気密測定を実施します。
全棟実施ということが何よりも説得力があり、責任があると信じて継続しています。
性能と向き合い、そのルールの中で開放的なワンルームのような家づくりを実現しています。

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by oz-works
| 2020-01-04 19:40